2021年 2月 25日
傷病手当金の受給期間改正か?
傷病手当金は、健康保険の被保険者が私傷病により休業するときに、休業を開始した日から継続した3日間の待機期間の後、支給される給付金です。
最長で1年6か月ですが、この期間も、療養のため、労務不能であることが要件です。
現在は「支給開始日以後」1年6か月後が限度とされていますが、これを「支給開始日以後〝通算して゛」1年6か月とすることを1つに盛り込んだ健康保険法改正法案が国会へ提出されました。
傷病手当金の支給期間を通算することによって、何が変わるのでしょうか。
例えば、その期間中に、労務可能となるまでに回復し、職場に復帰すると傷病手当金は支給されなくなります。
しかし、体調が完全には回復せず、その後再び同じ傷病によって、再度傷病手当金の受給要件に該当することに至った場合、最初の支給開始日から1年6か月を経過していたとしても、支給されていた期間が1年6か月に満たなければ、再び支給されます。
法改正案提出に至った背景として、仕事とがん治療を両立している方の増加にあります。
医療技術の進歩により、がんは入院治療から通院治療となり、以前のような、がんの手術をして長期療養した後は職場に復帰してバリバリ働くということに対応していた現行の制度は、実態と合わなくなってきていました。
今後は、職場において、そうした長期にわたって病気と向き合う従業員のための処遇を考えていくことが必要になってきます。(本)
DATE: 2021. 2. 25.